第23話「管理職のマネジメント力向上」
人を育てる経験が、管理職としての成長につながります。
「外国人を受け入れると管理職のマネジメント力が向上します。」
この話をすると、「そんなきれいごとを言っている余裕はない。毎日納期に追われているんだ」と思われる経営者の方も少なくありません。
その気持ちはよく分かります。
製造現場の管理職は、生産計画、品質管理、納期対応、人手不足への対応など、毎日が時間との戦いです。
しかし、その忙しさの中だからこそ、外国人材の受け入れが管理職を成長させるケースを私は数多く見てきました。
例えば、日本人同士なら「これ、前と同じようにやっておいて」で済む指示も、外国人には通じません。
なぜそうするのか、どこが重要なのか、何を間違えると品質不良になるのか。
管理職は「当たり前」を言葉にして伝える必要があります。
最初は面倒に感じるでしょう。
しかし、その積み重ねによって仕事が標準化され、誰が教えても同じ品質で教育できる仕組みができていきます。
これは外国人だけのためではありません。
日本人の新人教育にもそのまま役立ちます。
また、外国人は分からないことを率直に質問する人が少なくありません。
「なぜこの作業をするのですか。」
「どうしてこちらの方法では駄目なのですか。」
その質問に答える中で、管理職自身が仕事の意味や目的を改めて整理することになります。
中には「昔からこうしているから」という理由しか説明できない作業も見つかるでしょう。
それが改善のきっかけになることもあります。
さらに、外国人を育てられる管理職は、人を観察する力が身につきます。
理解の早い人もいれば、実際にやって見せた方が覚える人もいます。
何度説明しても伝わらない人もいます。
相手によって教え方を変える。
これは本来、管理職に最も求められる能力です。
現場では「人手が足りないから外国人を採用する」という考えが出発点になるでしょう。
もちろん、それで構いません。
しかし、数年後を振り返ると、「管理職が以前より部下を育てられるようになった」「教育の仕組みが整った」「現場のコミュニケーションが改善した」という副産物を得ている企業は少なくありません。
設備投資は機械を成長させます。
人への投資は会社を成長させます。
そして、人を育てる経験は、管理職自身を成長させます。
外国人材の受け入れは、人手不足を補うだけではありません。
現場の管理力を高め、将来の会社を支える管理職を育てる機会でもあるのです。
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