第24話「役割分担が明確になる職場」
「うちは少人数だから、みんな何でもやる。」
製造業や建設業では、この言葉をよく耳にします。
普段であれば、それでも仕事は回ります。
忙しい人を見つければ周囲が自然と手伝い、その日の状況に合わせて動く。
日本人同士なら「あうんの呼吸」で成り立つ職場は少なくありません。
しかし、そのやり方は外国人材が入った瞬間に壁になります。
「今日はこれをやって。」 「終わったら誰かに聞いて。」 「忙しそうな人を手伝って。」
日本人なら理解できても、外国人には非常に分かりにくい指示です。
すると毎回、「次は何をすればいいですか」と確認が必要になり、現場責任者は仕事を止めて説明することになります。
経営者は「外国人だから手がかかる」と感じるかもしれません。
しかし、本当の原因は外国人ではありません。
会社の中で、「誰が何を担当するのか」が曖昧だったことが見えるようになっただけなのです。
実際、多くの企業では外国人採用をきっかけに業務を見直しています。
例えば、
「材料の準備は誰が担当するのか」
「機械の段取り替えは誰が行うのか」
「品質確認は誰が最終判断するのか」
こうした役割を紙に書き出して整理すると、不思議なことが起こります。
今まで何となくベテラン社員だけが抱えていた仕事や、誰の担当か分からない仕事が次々と見えてくるのです。
すると、仕事の重複が減り、責任の所在も明確になります。
これは外国人だけのためではありません。
新入社員、中途採用者、パート社員にも同じ効果があります。
さらに、担当が明確になることで、「あの人しか分からない」という属人化も減ります。
ベテランが休んでも仕事が止まりにくくなり、現場全体の安定につながります。
私は外国人材紹介の仕事をしていますが、本当に評価されている会社は、「外国人を入れたから良くなった会社」ではありません。
「外国人が入っても困らない仕組みを作った会社」です。
役割分担が明確な会社は、外国人だけでなく、日本人にとっても働きやすい会社になります。
外国人採用は、人手不足を補うだけではありません。
今まで当たり前だった現場のやり方を見直し、会社の仕組みそのものを強くするきっかけにもなるのです。
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